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2010年6月6日日曜日

ジルガ襲撃

6月2日、カラザイ大統領は4月以来2度にわたって延期してきた和平諮問ジルガをカーブルのアフガニスタン教育大学で開催した。1600人の参加者に対して12000人の警備兵を配し厳重な警戒下で開催したが、カラザイの演説中に会場から100メートルの場所でタリバンの殉教攻撃隊の攻撃があり、3発のミサイルを含め4回の爆発が起きた。
襲撃したタリバン兵は4名で1名が自爆し2名が殺害され、1名が逮捕された。被害が報告されていない。
アフガン国会副報道官ミルワイス・ヤスィニは「この攻撃は治安上の大失点だ」と述べ、アルジャズィーラのジャームズ・ベイ記者も「何ヶ月にもわたって周到に準備し厳重な警戒をしたこの会場ですら安全を確保できないなら、国土の他の場所の安全がどうして守れよう」と語っている。
「ジルガ」とは現地語で「集会」を意味し、憲法上の規定もあるアフガン社会の重要な意思決定制度だが、「国民和解諮問ジルガ」とはこうした憲法の定める「大ジルガ」とは全く異なる政治的権限が全く無いただの会議に過ぎない。しかもこのジルガは、カルザイの取巻きを集めた御手盛りの会議に過ぎず、米軍と戦っているタリバンやヒズベ・イスラーミーが外国軍の撤退を交渉の条件と述べて会議の意義を否定しているだけでなく、昨年の大統領選で選挙の不正に抗議し決戦投票をボイコットした対立候補のアブドッラー・アブドッラーも参加せず、カルザイ政権に距離を置く地方の有力部族の長老たちの多くも締め出されている。
元タリバン政権(アフガニスタン・イスラーム首長国)外務大臣ワキール・ムタワッキル師(現在カーブルで自宅軟禁)が、「戦っている相手(タリバン、ヒズベ・イスラーミー)を相手に話さない限り、このようなものは役に立たない。」と述べている通り、この「国民和平諮問ジルガ」なるものは外国向けの茶番に過ぎないと言えよう。

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