2010年6月7日月曜日

「ターリバーンの思想的基礎(4)」(ターリバーンの女性観)

ターリバーン(イスラーム首長国)の思想の基礎(4)

http://www.alsomod.org/index.php?option=com_content&view=article&id=3186:2010-05-20-19-03-12&catid=88:48somoodmag&Itemid=53

10.女性問題に関する聖法に則った見解
ターリバーンの思想における女性問題は、それをめぐって西洋に大きな争論を引き起こさせた重要な問題の一つであり、(西洋は)それを口実にターリバーンの思想とその体制を中傷し、西欧のメディアはアフガン女性が不正に監禁され人権を奪われ自由を制限されており、アフガン社会を構成する男性の営為から遠ざけられ、教育や労働の権利を妨げられている等々などのイメージを流布させた。
こうして自由主義の西洋は空想の上で、アッラーを主としイスラームを宗教、律法として、そして(預言者ムハンマドの弟子の)第一世代の「信徒の母たち(預言者ムハンマドの妻たち)」と貞淑に(神のために)奮闘(ジハード)した女性(ムスリム信徒)たちを手本、模範として信ずるアフガン人女性たちの状態について歪曲されたイメージを捏造した。
西洋は、アフガン人女性を無神論の西洋の基準、価値観によるその穢れた観方で眺めることに固執している。
アフガニスタンの女性問題の真相とは何か?この高貴な被造物(女性)に対するターリバーンの観方はどんなものであろうか?ターリバーンの思想のおける女性の廉直と放縦に関する基準とは何か?アフガン女性の問題に対して西洋が騒音を上げる裏の真の理由は何であろうか?
アフガンの女性問題に関連するこうした諸問題に答えるためには、少し遠回りしてアフガニスタンにおける西洋の女性解放運動の背景について知り、ターリバーンがアフガン女性の西洋化運動に対して確固として立ちふさがり、その計画を阻止し、その結果として不信仰世界全体の憎悪を招き寄せることになったかを知る必要がある。
ターリバーンの思想において、ムスリム女性とは宗教における男性の姉妹同胞であり、(男女)双方の真の宗教(イスラーム)が両者に課した聖法の義務において全く平等である。彼女の兄弟のムスリム男性が聖法の諸規定の遵守を求めらるのと同じように、彼女もまた彼女の主の聖法の諸規定の遵守を求められるのである。
イスラーム社会における彼女の地位は、尊敬される母か、大切な姉妹か、気高い娘か、貞婦かであり、いずれの場合も、尊ばれる人間の女性なのである。
そして女性が奉仕され、男性が奉仕する存在であることにより、女性は男性から区別される。というのは、イスラームの聖法は彼女の養育と扶養、尊厳と名誉の保護を男性の責任としているからである。そしてそれは至高なるアッラーが女性の体質の中に創り給うた自然の生物学的相違を尊重することによってしかありえない。なぜならそれによって女性は男性には担うことができる苦役、激務に耐えられないからである。
女性の廉直と放縦に関するターリバーンの思想の基準、度量衡はイスラームが定め、このウンッマ(ムスリム共同体)の初期世代のイスラーム学者たちが明らかにしてきた基準それ自体である。
十字軍の西洋が、その無神論的性向からしてイスラームを全面的に拒絶することから、女性の正邪に関するターリバーンの基準を拒否するのも驚くにはあたらない。
西洋の脳内の問題は、その物質的自由主義的な西洋的観点からアフガン女性を見ることから生ずるのである。もし(西洋が)アフガン女性を、彼女たち自身の宗教と彼女たちの社会の慣習、そして彼女たち自身の聖法と民族の文明に対する彼女たち自身の道徳的文化的遵守を通して見るなら、アフガンの信徒の女性の問題に関して西欧が妄想したようなものはどこにも見出すことは無いのである。
しかし西洋人たちの頭の中のこの問題は、植民地主義的敵対的目的アフガン女性の思想への攻撃から生じているのである。というのは女性らこそが過去何世紀にも亘ってイギリス人、ロシア人、アメリカ人とその十字軍の同盟者たちに、侵略者たちに苦渋を飲ませてきた戦いにおいて侵略者たちに屈辱を味わわせてきた勇敢な戦士たちを生育してきたからである。
西洋はアフガン女性ムスリムの無法な西洋化の波に抵抗し、女性たちがジハード、移住、忍耐、戦闘準備によって父や兄弟や夫や息子と共に戦線に立つのを見て、敵たちは彼女たちへの攻撃方法を変え、その(新戦略の実行)責任を植民地主義(西洋)諸国がイスラーム世界での玉座に就かせたウンマ(ムスリム共同体)の裏切り者、(西洋の)傀儡の(現地人)為政者たちに負わせ、彼ら(現地人ムスリム為政者たち)が法令や政策や制度でムスリム女性に、脱衣、半裸、彼女たちの宗教の規範からの逸脱を強制したのである。これらのムスリムを自称する犯罪者たちのいかに不正なことか。アフガニスタンでもこうした為政者たちの役割は他のイスラームの国々より少なくは無かった。
ハビーブッラー王が王位に就くと彼は自分の妻から洋服を着せ始めた。その後に彼の息子のアマーヌッラーが彼の王位を継いだが、新王は少年期から西欧の自由主義にかぶれており、6ヶ月以上にも及ぶ奇態な洋行に出かけ、同行したサルヤー王妃はアフガニスタンの衣装を着て出国したが、膝を丸出しにした洋服を着て帰国したのである。
この西洋かぶれの王はジハードとジハード戦士の国に洋服を広めるために、自分の妻に政府要人たちの集まりで頭巾を頭から脱ぎ捨てるように命じ、彼女は男性たちの間に頭を晒し胸を露にして座り、王は名士たちの妻にも同じことをするように命じ、こうして王妃と宮殿から女性の脱衣とイスラーム聖法に則るスカーフへの反対運動が始まったのである。
その後にフランスで育ち自由主義文化に染まったザーヒル・シャー王が登位し、女性の放縦により広く門戸を開き、(男女)共学と道徳的退廃のあらゆる手段を国に広げ、宗教を「民衆のアヘン」と看做す無神論の共産主義の種をこの国に植えたのである。
その後彼の父方甥のムハンマド・ダーウードが彼の後を継ぎ、共産主義者に殺されるまで彼はその(先王ザーヒル・シャーの)政策を継承した。
共産主義者たちと共にこの国のソ連の占領が始まり、赤色共産主義への門戸が開かれ、都市の女性の心にまだ残っていた道徳、宗教、貞節、羞恥心は根絶させられた。
共産主義政権が崩壊した時、ラッバーニーが率いるジハード諸組織が政権を握った。しかし彼の政権は聖法の施行と共産主義の生み出した腐敗の撲滅には関心を示さず、他の(ジハード
諸組織に対立して共産主義者(の残党)と共闘し、(祖)国を悲惨な内戦に落としいれ、何十万の世帯が戦火を逃れて(祖)国を離れて西洋の国々に難民となって脱出した。
これらの家族が西洋に到着すると、西洋社会は彼らを抱き込み、心底からムスリムのアフガン社会を攻撃するための毒槍として彼らを利用するために、堕落した西洋文化に染め上げた。
多大な犠牲の末にターリバーン運動が政権を握ると、(ターリバーン運動は)大都市で以下のように纏められるような極めて道徳的に堕落した状況を引き継ぐことになった。
1. 一連の世俗主義の諸政権が生み出した女性の諸領域における恐るべき道徳的退廃。
2. 女性の無規範主義を信奉する無神論の共産主義が生み出した宗教、道徳的退廃。
3. 堕落した西欧諸国における多くのアフガン人の疎外から生ずる腐敗。
4. 世俗主義と共産主義の諸政権によるイスラーム刑法の施行の廃棄。
5. 堕落した政府が広範に普及させた映画、劇場、クラブ、ラジオ、テレビ、新聞などのメディア、俗悪雑誌、猥褻書籍などによる不品行を広める様々な手段の存在。
6. ムジャーヒィドゥーン政府が腐敗との戦いに失敗し、政府の要人の多くが堕落した組織のネットワークに絡み取られたこと。
7. 教育の全ての段階での共学制度の危険な悪影響。
8. 全ての段階での教育、政府機関でのイスラーム式服装の禁止。
9. 西洋、共産主義諸国のメディアによるイデオロギー攻撃。
10. アフガン人に西洋思想、文化を普及させるための人道、教育、医療支援の装いの下の何百もの西洋諸組織の存在。
かつてこういった原因が女性の諸領域、青年層における極めて危険な状況を生み出しており、この存在する腐敗との戦いはターリバーンに断固たる政策を採ることを要請した。そしてその根絶は、存在する腐敗の規模より強大な矯正の努力なしには可能ではない。それゆえターリバーンは以下のような必要な政策を採ることを余儀なくされた。
1. 女性だけの教育のための環境、カリキュラム、黒板、建物等を用意するまでの一定期間、女性教育を延期すること。
2. それは女性の教育の禁止を意味しない。むしろ国の憲法は、女性のための教育の機会を十分に与えることを明記していたのであり、憲法39条は女性教育はイスラーム聖法の枠内で、そのための法律によって定められる。
3. 聖法の施行と腐敗の広まりの防止のため、聖法に則ったヒジャーブ(スカーフ)の強制。
4. 石打刑と鞭刑を含む聖法に基づく刑法の施行。
5. 勧善懲悪省の設立と、人々へのその宗教の教化、忠告と良き説諭によって不品行を自粛しない者の懲戒。
6. 西洋諸機関の監視と、その全活動の監督。
7. 疑わしい筋の思想的害毒が人々の脳中にその害毒を撒き散らさないように、その出版放送手段を禁止すること。
そして十字軍の西洋と他の邪悪な意図を持つ国々はこの(ターリバーンによる腐敗撲滅)政策を目にしてその(西洋諸国の)迷妄の思想と不信仰の諸理論がアフガン女性と新世代に浸透しないのを悟った時、彼らが堕落させようと奔走してきたアフガン女性の彼らの言うところでは侵害されている権利を請求すると吹聴し始めたのである。
アフガン人の女性の性状は他のイスラームの国々の女性とは多くの点で異なっている。例えばアフガン人女性はアッラーの恩寵によって未だに健全な信仰の天性を保持しており、彼女らの考えは西洋物質主義に汚染されておらず、移住とジハードに耐え、その日暮らしで辛抱しており、露出や裸体よりも貞操と慎み深さを選好している。これらの性質全てによって、彼女らは新しい世代にイスラームの諸原則を教える資格を与えるに相応しい。そしてそれが全ての力をもたらして彼女らを保護するのであるが、またそれが西洋が彼女たちが備えていることに我慢出来ないものでもあるのである。それで西洋はアメリカがアフガニスタンを攻撃し、この国のムスリム女性を堕落させる多くの分野を開拓し、その堕落のための包括的な計画を立案した時、アフガン女性に対する隠れた憎悪から安堵したのである。これらの悪魔的な計画は以下の通りである。
1. イスラームのヒジャーブを脱ぎ捨てるようにとの女性の扇動。それを彼女が投げ捨てるのは、それ(ヒジャーブ)はターリバーン政権と関係するものだから、ターリバーン政権が崩壊した以上、ヒジャーブも脱ぎ捨てられるべきだ、という訳だ。アフガニスタンに向けられた西欧のメディアはこの領域で重大な役割を果たした。
2. 女性問題省という名の女性省の創設。女性は国家問題の一つとなり、それを特別に担当する一つの省が必要となった。この省の創設の裏にある真の目的は、制度的枠組と緻密な計画の下で(組織的に)女性を堕落させることであり、この奇怪な省がアメリカの専門家たちの監督下でそれを執行したのである。おそらくこれは世界の歴史の中でも最も奇怪な省であろう。
3. 生活の全領域において男女の混交に場を開いたこと。政治に始まり、教育、商業、娯楽、ミスコン、遊び場、ダンスホール、芸術と彼らが呼ぶところの破廉恥な遊興、ジャーナリズムやメディア、その他の生活環境である。
4. 数十のテレビ局を開設とそこでの美女の雇用。例えばカーブル市だけでテレビ放送のための20以上の民間局があり、また首都とアフガンの他の州で国営、民営の200以上のラジオ局がある。これらの放送局は最悪の猥褻、不品行を放送し、これらの衛星放送が社会の道徳構造に腐敗、弛緩、分裂をもたらすために、遂には一部の政府官庁でさえがこれらの放送局に倫理上の監督の強制を求めるに至る程であった。にもかかわらず、傀儡政府は西洋諸国が背後についているこれらの放送局の暴走を抑えることができないのである。
5. 西洋社会の以下の3原理に基づくアフガン社会の再構築の執拗な行動。
(a) 万事における男女平等。
(b) 男性の女性に対する管轄権を失わせるために女性の生活の(経済的)自立化。なぜなら女性が夫から経済的に自立すれば、性的目的以外に必要としない一人の男性になぜ付き従わねばならず、多くの従属を課す夫婦の制限に従う代わりに性的本能を自由に満たさないのか。
(c) 社会生活の清廉、貞潔な整序のためにイスラームが設定した防壁の破壊のための男女の完全な混交。
6. 本、雑誌、写真、映画、演劇、ナイトクラブなどあらゆる扇情の手段の大量の持ち込み。警察による倫理規制の廃止、扇情的音楽、若い男女の猥談を放送する数十の放送局の開設。
7. ゲストハウスの名による、大都市での売春宿の開設と、そこへの中国、韓国、旧ソ連圏諸国からの売春婦の輸入。遂には首都カーブルで売春宿の害悪が増大し内務省が介入しその閉鎖を命令じたところ、かつては外国人不信仰者専用であったのを再開するようにアフガン人の若者が公然と求めるようにまでなってしまった。
8. 西洋諸組織によるエイズ対策の美名の下の何百万もの避妊用品の配布。しかし実はそれは保守的なアフガン社会に婚外性交を広めるためなのである。
9. 国内のミスコンへの参加と海外でのミスコンへの派遣のための芸者集団の結成。
10.聖法の諸規定が紙の上のインクでしかなくともわずかなりとも残存している地方裁判所に訴えることを望まない者をおびき寄せるための地方裁判所に隣接にしての女性の権利擁護事務所の設立。
11.油などの食料品で釣って女子を国立学校に誘う一方で男子にはそれを禁ずること。
十字軍の西洋がこれらのことを行うのは、女性であるということで女性のためではなく、アフガン人女性を信仰の天性から逸脱させ、その貞女の性質を歪め、男性か男性もどきにし、子供たちが西洋かインドの映画を見てその価値観や生活様式の影響を受けるがままに家庭を放置するようにするためなのである。
貞節な信仰者の女性は(西洋の)目障りでしかなく、西洋にとっては彼女にはいかなる価値もない。それどこからそのような女性は殺し、破壊し、夜陰に乗じて彼女らの家を襲撃し、泣き叫ぶ彼女らの目の前で夫を殺すに値するのであり、彼女は家の爆撃による子供の殺害で苦しめるべきなのである。なぜならば彼女はジハード戦士の妻、あるいはジハード戦士の疑いがある若者の母だからであり、それゆえに彼女はその家を破壊するか、助けてと叫ぼうとも、牢屋に引き摺って行くべきなのである。
この問題は、問題の本質は、女性のイスラームと信仰との戦いが問題なのであり、女性の権利、あるいは彼女らのターリバーン、あるいは他の誰かに対する闘いの問題ではないのである。
他方、ターリバーンの女性に対する見方は、彼らの心中に深く根付いたバランスの取れたイスラームの見方であり、彼らは女性に授乳され養われ、彼女らの庇護の許に育ち、彼女らの愛情の下にイスラーム教育を受けたのであり、それゆえ彼らは自分たちの血と命を捧げて彼女らの名誉と尊厳を護るのであり、彼女らが西洋の悪鬼や東洋のペテン師どもの慰み物になることを望まないのである。
それゆえ彼らこそ女性とその聖法が彼女らに定める権利の真の擁護者なのであり、彼らこそ堕落した西洋の狼たちから女性を守る者なのである。(続く)

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